Lesson4:リンパマッサージの注意点
リンパマッサージをするときは、いくつか気を付けなければならないことがあります。自己流でマッサージをすると、筋肉を傷めてしまいかねません。そこで、この記事ではリンパマッサージを施術する際の注意点を紹介していきます。
強い力では行わない
マッサージに通ったことがある人は分かるかもしれませんが、リンパマッサージの施術は主に2つのうちどちらかの方法に分かれます。それは、リンパマッサージの施術に痛みがともなうか、全く痛みがなくて心地よいかのどちらかです。
セルライトが凝り固まっている、あるいは老廃物が溜まっている場合は、強く施術してはいけません。ゴリゴリと痛みが生じるくらいの圧力をかけて施術をしても、筋線維を傷つけたり切ってしまったりする原因となります。リンパマッサージは、痛みが生じないくらいに優しくすることで、リンパを流す効果が期待できるのです。
リンパの流れと逆方向に流さない
リンパの流れは左右同じではないため、リンパの流れについてよく学んでから施術をするようにしましょう。仮にリンパの流れと逆方向に流してしまうと、むくみや冷え改善の効果はあまり期待できず、むしろかえって筋肉が硬くなる可能性もあり得ます。
そのため、リンパマッサージを行う際は、リンパの流れを意識して老廃物が流れるようにマッサージをする必要があります。左右でむくみ方が違う可能性も十分に考えられるので、体の全体をよくみて、どこを重点的に流すべきかを予め考えるようにしたいところです。
疲労や体調不良が見られる場合はやらない
なんとなく疲労が抜けない、体調が悪い気がするというときは、リンパマッサージをするのは避けましょう。万が一、風邪などの初期症状だった場合は、リンパ節にとどまっているウイルスを全身に流してしまいかねません。
妊婦へのリンパマッサージにも注意が必要です。うつ伏せや腰への圧迫は、流産や早産の原因に繋がるのではないかとみられているので、マッサージをする前に妊娠の有無を確認しましょう。疲労や体調不良、妊娠についての確認は初回時だけでなく、マッサージの施術をする前に毎回確認しなければいけません。
何もつけずに直接マッサージしない
マッサージを行うときは、ジェルなど必ず皮膚を保護できるものを使用してください。そのままマッサージの施術をしてしまうと、皮膚が摩擦によって炎症を起こしたり、皮膚が弱い人は傷ついてしまったりする原因となります。
自分にマッサージするときならいざ知らず、お客さんをケガさせたとあっては大変です。業務用のマッサージジェルやクリームはたくさん販売されており、なかには洗い流さなくて済むものもあるため、自分の施術に合うタイプを探してみましょう。
実際にマッサージでケガをした事例
リンパマッサージはきちんとした手順を踏まえて行わないと、とても危険な施術になります。実際にマッサージでケガをした事例も多数報告されており、要注意です。
国民生活センターが公表しているデータによると、2012年4月に報告された事故では、指圧・マッサージ店で60代の女性が肋軟骨を骨折する事態に。さらに、2011年3月に報告されたものでは、マッサージ店で施術を受けた50代女性が頚椎捻挫と診断されるケガにつながったというものもあります。上記で紹介している事例はあくまでも一部なので、報告されていないものも含めると、もっとマッサージの施術によるケガは多いのと予想できます。
ケガのリスクを踏まえて施術しましょう
マッサージは自分の体重を相手にかけて行うものなので、力加減を間違えると骨折や捻挫などの思わぬケガに繋がってしまうこともあります。特に、子どもや高齢の人は、骨が頑丈ではない可能性もあり、同じように力を入れたつもりでもケガをすることがあるのです。
また、リンパの流れを無視して施術をしたり、ジェルで肌を保護しなかったりしたことで、後になって痛みや傷を訴えられる危険性も考えられます。リンパマッサージを自分以外に行うときは、ケガのリスクを踏まえて施術を行いましょう。
食後は避ける
リンパマッサージに限らず、マッサージを受ける前の食事は避けるべきです。食事後は食べたものを消化するため胃に血が集まっています。そこでマッサージを受けてリンパ液や血液の流れが分散してしまうと、消化不良を引き起こすことがあります。そのため施術前の食事は避けてもらいましょう。
また、飲酒をした方のマッサージは大変危険です。マッサージによって血流が良くなることで、体内では有害物質「アセトアルデヒド」が全身を巡りやすい状態。そのため動悸やめまい、頭痛、嘔吐、呼吸困難などを引き起こす可能性があります。飲酒量によるものの、飲酒後4時間以内のマッサージは危険。飲酒した方のマッサージは行わないようにしましょう。
施術を受けやすく動きやすい服装で
マッサージを受けるときはジャージやTシャツ、スウェットなど動きやすくシンプルでゆったりとした服装がおすすめです。
たとえば締め付けが強い服や厚手の服は、筋肉の動きを確認しにくくなります。また、シワができやすい・すべりやすい素材の服の場合はマッサージをしにくいでしょう。また、装飾のある服も同様です。
ただし立地によっては、会社帰りの顧客が多いサロンも。その場合は貸し出し用の服を用意していることもあります。
目的でサロンを選ぶ
サロン選びでは、どんな目的で施術を受けたいのかを明確にすることが大切です。施術を受ける人は、「美容目的で通いたい」「つらい症状を改善させたい」「リラックスしたい」など、マッサージを受けてどうなりたいのかを意識しておくべきです。そのため、施術を行う側も顧客がどんな効果を期待しているのかを理解しておきましょう。
また、サロン開業では、どの目的向けのマッサージを行っているか「コンセプト」をわかりやすくしておくことが大切。たとえばリラックス効果のあるマッサージをメインで行う場合は、リラックスできるサロンであることをアピールし、店舗を落ち着いた雰囲気にするなどの工夫が必要です。
リンパマッサージの禁忌事項
リンパマッサージの一般禁忌では
- 感染症による急性炎症
- 心臓疾患(心性浮腫や心不全など)
- 下肢静脈の急性疾患(深部静脈血栓症や急性静脈炎など)
- 悪性腫瘍による浮腫(相対的禁忌)
- 腎臓疾患
- 喘息
- 低血圧
- 体内に金属を入れている方(骨の固定等)
- 皮膚の炎症
- 妊娠初期
などがあり、該当する疾患や症状のある方への施術は禁止されています。
また、局所禁忌としては
- 頚部の急性疾患、または血圧昇降やホルモン分泌の急激な原価が危惧される場合
(甲状腺機能亢進症や頚動脈洞症候群、重症な不整脈、高齢者(相対的禁忌)など - 腹部の急性・慢性疾患、腹腔内の手術や照射療法後、妊娠中など
(腹部の急性・慢性疾患や放射線性腸炎、放射線性膀胱炎、大動脈瘤、腸閉塞症の既往がある場合、骨盤内静脈血栓症の既往がある場合など)
などがあります。局所禁忌の場合はすべてのマッサージを行えないわけではなく、局所的にマッサージが禁止されています。
そのため、マッサージを行う前には禁忌対象となる疾患や症状がないかを必ず確認します。
サポート充実×体験入学が受けられる「リンパマッサージ」資格3選
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- 体験入学できる・・・事前に講義内容との相性を試すことで、入学してからイメージと違かったと後悔がありません
どのスクールがいいか迷ったら、まずは体験入学してみることをおすすめします。
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リンパ療法学院
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